基本的に感染症衛生管理現場で使用される「不織布マスク」は「使い捨て」です。しかし、新型コロナウイルス騒動により街中からマスクが姿をけす事態になりました。そんなかでも毎日の生活で「必需品」となりつつあります。
 
そこで本来は使い捨てされるマスクを「理容師法」を活用した再生使用を紹介したいと思います。流通が再開すれば本来の「使い捨て」になるのがベストですが、マスク不足時の応急措置として参考にしていただければと思います。

step 01:使用済みサージカル(使い捨て)マスク

今回のマスクは「M101」規格の医療用「メジャーリーガー」マスクです。3層構造で内側は「皮膚刺激性0」の特殊シートを採用している医療現場で使用されているモデルになります。シート内に不繊維以外の素材(ジェルなど)が含まれているタイプは再使用できません。

step 02:水で浸漬させます。

マスクは不織布(ふしょくふ)という繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもので3層構造で構成されております。まずは、内部まで水を染み込ませます。

step 03:中性洗剤に浸漬させます。

理容師法では感染症対策工程として「洗剤による洗浄工程」が非常に重要になります。流水洗浄だけで消毒液に浸漬させてしまうと効果が半減してしまうためです。マスクでは家庭用台所洗剤で「中性」のものを使用してください。

step 04:中性洗剤で軽く揉み洗いした後、浸漬洗浄します。

マスク全体に浸透しましたら、プリーツ(ひだ)に合わせて横に折り畳み軽く指で押して洗います。タオルなどを洗うような揉み洗いをしますと型が崩れてしまうので注意してください。

step 05:流水洗浄します。

マスクに染み込んだ洗剤成分を洗い流します。理容店における感染症衛生管理においても大切な工程になります。洗剤成分や汚れを除去することにより、消毒液の効果を高めるためになります。

step 06:水分を減らします。

マスクの水分を減らします。ただし、マスクを絞るようなことは型崩れするのでやめてください。

step 07:漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)に浸漬させます。

新型コロナウイルスに対しては「手が触れた物には0.02%」「医学的な消毒には0.1%」なっております。理容師法におきましては通常布類の消毒として「0.01%」濃度が指定されております。また血液付着した布類に関しては「0.1%」となっておりますので、新型コロナウイルスに関するマスクに関しましては「0.1%」とします。元になる漂白剤の濃度にもよりますが、有名な製品ですと500mlに対してペットボトルキャップ5杯で0.1%になります。ちなみに「泡スプレー」タイプは製品自体が0.6%です。
 
次亜塩素酸ナトリウムの特性で水で希釈時に発生する強力な殺菌効果を発揮する「次亜塩素酸」も同時に生成させて効果を高めます。
 
薬剤をいれましたら少し攪拌して濃度を均等にします。次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性ですので、マスクに付着した皮脂なども溶解させて除去します。浸漬時間は理容師法での感染症衛生管理浸漬時間である10分とします。

step 08:流水洗浄します。

マスクに染み込んだ薬剤成分を洗い流します。成分が残留しないように良く洗い流してください。肌の弱い方は、この時も中性洗剤を使用して薬剤を洗い流してください。

step 09:水分を減らします。

マスクの水分を減らします。ただし、マスクを絞るようなことは型崩れするのでやめてください。この時に薬剤臭がしないか確かめてください。するようなら薬剤が残留している可能性がありますので再度流水洗浄してください

step 10:マスクを乾燥させます。

マスクを乾燥させます。タオルなどは天日干しなどしますが、マスクの場合は花粉なども付着する可能性があるのでやめましょう。また、部屋干しも干している最中に埃などが付着するリスクがあります。そこで、アイロンにて一気に乾燥させてしまいます。

step 11:マスクの裏面(口側)にアイロンをかけます。

マスクを厚手のタオルで挟んで、当て布のようにしてマスク内の口があたる裏面からアイロンをかけます。この時に発生する高温蒸気で処理することで消毒工程とします。理容店におきましてはシェービング用蒸しタオルを消毒するのに使用する「流通蒸気消毒工程」いわゆる「タオル蒸し器」です。それに対して乾式の「タオルウォーマー」では感染症衛生管理としての消毒効果は見込めません。

step 12:マスクの表面(外側)に「洗濯のり」を噴霧します。

マスクが乾きましたら、好みになりますが表面(外側)に「洗濯のり」を噴霧してマスクの「こし」をだします。

step 13:マスクの表面(外側)に仕上げのアイロンをかけます。

マスクの表面にもアイロンをかけて仕上げます。当て布を使用するので完全に乾燥させるのは無理かと思いますが、マスクが変質しないように注意してください。

マスク再生処理終了。

再生したマスクをすぐに使用しない時は乾燥剤をいれた密閉容器内で保管します。流水洗浄不足で薬剤が残留したりすると、肌が荒れるなどの症状がおきるかもしれません。あくまでも自己責任の元でおこなってください。
他のマスク素材(ガーゼなど)によっては不適合な場合がありますので御了承ください。

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